論破ではなく気持ちよく協力させる
会社で仕事をしていると、必ずと言っていいほど部署間で利害関係が生じます。
一方の部署には都合のいい事でも、もう一方の部署には都合の悪い事。
同じプロジェクトを異なる部署で協業していた場合の利益の取り分、
こっちはこれだけ貢献してるんだからもっとよこせ!
いやいや既に渡しすぎてるからこれ以上は無理!
優秀な人材の取り合い、
A君はうちの部署のエースだから手放すなんてとんでもない。
でも業務ローテーションを考えると新しいところも経験させてあげないと。
数字の欲しい本社と作業を増やしたくない営業、
この日までに修正予算案を明細ベースで提出してください。
また数字の提出依頼か、多いんだよなー。
立場が異なり意見が対立した場合、よくある顛末が一方がもう一方を論破する事。
お互いのパワーバランスもあるのでしょうが、10:0で決着してしまうパターンですね。
これだと意見を通した方は気分がいいですが、折れた方はとてもじゃないけど協力する気にはなれないですよね。
表面上は従っているふりをしますが本質的には協力しない、もしくは今後に遺恨が残るなんてこともありえます。
ここで話のうまい人って、なぜか気持ちよく協力させちゃうんですよね。
「うーん、しょうがないなぁ、今回だけですよー」とか言われちゃったりして。
で、気になったのでその人のやり方をじゃーーーっと見てみたことがあるんです。
確かに話は上手なのですが、めちゃくちゃ上手で引き込まれるーってわけではなく、
特徴としては、「え、そんなこと?」と思われてしまうかもしれませんが、私が感じたポイントとしては、相手の話をよく聞いている事でした。
そして、頭から相手の意見を否定しにかからない。
必ず初めに「うんうん、なるほどー」と相槌をうってから、「こういう観点からみますと。。」と自分の意見を話しているのです。
まぁ確かに。相手の立場になって考えてみると、頭っから否定されると感情的にも腹が立ちますよね。
端から「いやいやいや」とか「違うやろ」なんて言われると
「なにー。こいつ、コテンパンに論破してやる!」となるのが人間かなと。
それが「うんうん、わかるわかる、あなたの気持ちも立場も理解しました」と冒頭に入るだけで、「お、なんか感じいいな、相手の話も聞いてみようかな」って気になるはずです。
そこから初めて合理的な判断ができるのかなと。
目的は相手を論破する事ではなく、やろうとしていることを達成する事。
その過程で折衷案が出ればそれもありでしょうし、お互いに譲歩しつつ、ここは譲れないんですんません、なんて建設的なやりとりができれば、ゴールに近づけるのではないかと思います。