数字に惑わされないために実数で捉えよう
ネットの記事なんかでよく「何倍に増えた」という表現をよく目にします。
例えば、「今年のインフルエンザは流行のスピードが速く、例年の同じ期間に比べて2倍の感染数です。」という記事があったとします。
これだけ見ると直感的に「おー!今年はめっちゃインフル流行してるやんけ、気をつけなあかんな!」と思ってしまいます。
だって倍ですからね、倍。
いつもの2倍の人数ですわ。
そりゃ気を付けな。
でもね、これって何人いるうちの何人が感染して倍なんでしょうか?
100人いるうちの10人が例年で10%の感染率、
これが今年はなんと20人で20%感染率なんで2倍、
これなら確かに気を付けたほうがいいかもしれません。
もしこれが、10,000人いるうちの10人が感染で0.1%の感染率
これが今年は20人で0.2%の感染率なんで2倍、
おー!これも2倍には変わりがないから気を付けましょう?!
いやいや、そうはならないですよね。
0.1%と0.2%の差なんて誤差ですよ、誤差。
これも伝えたい側が、「気をつけなきゃ」と思わせてやろうと思うと、2倍という表現を使ってくるんですよね。
怪しい商品の宣伝文句なんか、典型的だと思います。
「この商品、なんとあの高級成分が他社比5倍も入っています!
これでアンチエイジングの効果は間違いなし!(注:個人で差があります。)」
こんな言い方をされると、「5倍ってどんだけ太っ腹やねん!今すぐ購入や!」
と思ってしまいがちですが、よくよく考えてみてください。
実数としてその高級成分が元々いくら入っているのかを。
この場合は間違いなく雀の涙ほどの容量入っているにすぎす、それがたとえ5倍になろうが10倍になろうが、正直誤差の範囲、ただの宣伝文句に過ぎないのです。
こういう事って日常であふれていると思うので、正しい判断をするためには、悪い言い方ですが騙されないためには、必ず実数ではどうだろうという考え方をする習慣をつけておいて損はないと思います。
価格交渉の場でも
「Aという原材料が高騰してなんと2倍になっているので値上げをしないとうちもやっていけないんです!」
(製品全体にAという原材料が占める割合が把握しないといけないな)
「では、製品における原材料の割合表を見せてください」
・・・
「全体の2%ですが、、大勢に影響はないですね、値上げには応じられません。」
相手も値上げに必死ですので、言い方を色々と工夫してくるのが当たり前。
言っていることは嘘ではないので。
でもそれを真に受けていては損をしてしまうこともあるでしょう。
数字に惑わされないために、大切なのは実数で捉える事です。