石器時代が終わったのは石がなくなったからではない
昔の上司の話で心に残っているものの一つ。
「石器時代が終わったのは石がなくなったからではない」
なぜこの話が出て来たかというと、きっかけは会社の施策の一つにペーパーレスが出てきたこと。
会社の業務だけにとどまらず、今は紙のお蔭で、仕事やら手続きやらとても便利に進んでいるのは事実です。
但し、効率性の面ではITの方が優れていることも確かなので、会社の施策にペーパーレスが出てきました。
人は変化を嫌うものです。
今まで、紙でやっていた仕事を、そうそう簡単にITへ帰られるものではありません。
特に証票類を伴うような業務、例えば、お客さんを接待したときのお店の領収書や出張に行った際の飛行機の領収書兼搭乗券控え、これを伝票に貼り付けて、経費の精算をしますよね?
あとはお客さんに出す請求書や契約書。
これも請求書であれば請求印を押してお客さんの所に持っていくなり郵送するなりしてお金を振り込んでもらいますし、契約書も社名の上に両社の社印を押して、お互いが控えて持っています。
こんな業務、紙をなしに考える事なんかできるわけない!
まずはそう考えるでしょう。
私も他の部分でペーパーレスを実現することはできても、領収書や請求書、契約書の類はハードルが高いかなと思ってしまいました。
その人も、
「一足飛びで行くのは難しいよね」と認めてはいたものの、次に、
「でも、石器時代が終わったのは石がなくなったからではないだよ」と。
うーん、たしかに、上手い事いうなぁ、正直そう思いました。
きっとエネルギー革命のときも同じようなことが起きていたんでしょうね。
今までは木炭を燃やしてエネルギーを作っていたのに、ある時石炭が使えることがわかりました。でも今までの機械だと石炭をエネルギーにすることができません。今までのやり方を固持する人たちはそのまま木炭を使い続けたでしょう。でもあっという間に石炭の方が効率が良いことがわかり、乗り換えた人は時代の波に乗ることができ、やり方を変えなかった人は時代に取り残されたでしょう。その時決して木炭が世の中からなくなったわけではありません。よりよいものが発見されただけなのですから。
今のペーパーレスの話も同じだと思っています。
世の中から紙がなくなったからペーパーレスになるわけではない。
よりよいもの、より良いやり方が見つかったからそちらへ移っていくだけ。
確かに、ITの方が便利さや効率性は圧倒的に高いです。
多分昔の上司が伝えたかったのは、
「すぐに紙以外のやり方を見つけなさい、」という事ではなくて、
「今のやり方がいい、安定して問題ない、と、考える事ををやめないで、自分たちの頭でどうするのか悩みなさい、」て事だったのかと思います。
「石器時代が終わったのは石がなくなったからではない」
これ、かっこいいんですけど、完全に物まねになるんで、ちょっと変えて、
「ペーパーレスになったのは紙がなくなったからではない」
で、どうでしょう?!
(なんか、締まらないなぁ。。)