行動経済学 買ってもらうために何が必要か
最近の電車広告で「うまいなぁ。。」と感じたもの。
映像を流すタイプでマンションの広告なのですが、訴求するポイントが上手く、
「あ、これなら関心が持てるかも。」と思えたもので、
よく見るマンションの広告って、
・駅から10分以内!
とか、
・東京駅まで直通30分!
とか、
・高級な外観!
とかとか、
マンション自体の情報を売りにしていることが殆どなんですよね。
でもそれって、個人的には何ですけど、なんかこう惹かれないというか、
「ふーん、で?」
って思えちゃうんですよね。
で、その上手いなぁと感じた広告というのが、マンションを買った人の生活が充実します、というのをアピールしていて、
・マンションを買ったら朝が待ち遠しくなった!
・マンションを買ったら家に帰る楽しみができた!
・マンションを買ったら一人の時間が最高の贅沢になった!
などなど、マンション自体が駅から近いだの、都心からのアクセスが良いだのではなく、マンションを買った人が受けるメリットを前面に押し出しているんですよね。
今のは独身編なんですけど、夫婦編の広告もあって、まぁマンションを買ったら夫婦の会話が増えたとか、食事を一緒に取るようになったとか、やっぱり主旨は同じで買った人の生活が豊かになることをアピールしているんです。
これって、この広告が買ってもらう人が何に価値を持っていて、どのように働きかけるのか、買ってもらうために必要なものをキチンと考えているからだと思うんです。
勿論、値段は重要ですし、利便性も重要です。高級感を人によっては大切でしょう。
でもそれって、賃貸と分譲の差別化としては弱いんだと思います。
よく、賃貸と分譲と経済的にどちらがお得か?といった議論はありますが、一概に言えないものかと思います。
利便性なんて同じ駅であり同じような駅からの距離であれば、賃貸と分譲の差別化なんて全くできていないし、高級感なんて、まぁ人によりけりですよね。
これを自分の城ができることで大切な空間ができる。
今までと同じことをしても幸せと感じることができるようになる。
と、訴求されると、人間だれしも、それなりに自分は頑張っているがよりよく変わりたいと思っているもののなので、マンションを買うことで自分の生活がより豊かに感じられるようになるのであれば・・・と、関心を持ってしまうのだろうな、と感じてしまいました。
で、仕事をする上でも同じような事が言えるのかと思いました。
お客さんに自社の商材をアピールするのでも、こんな機能を持ってるんです、すごいでしょ!しかもこの値段はかなりお得なんです!と自分の立場でアピールしても、お客さんがその機能自体に価値を感じていなかったり欲しいと思えるものでなければ、いくら世間的に見て素晴らしいものであっても、関心を持ってもらえないと思います。
でも、相手の業務内容を理解していれば、
「あー、この業務っていっつも煩雑で大変ですよね、そこでこの商品!いつもの業務がこんな風に変わります!」
とアピールできれば、
「あ、それいいね!なんぼなん?」、と関心を持ってくれるはずです。
ピンと来なければ自分の立場に置き換えてみましょう。
自分の家に勧誘にこられて、とっても優秀な商品であっても、自分が不自由に感じてない部分であれば、最新鋭だろうがちっとも興味がわきません。
でも、これなんとかなんないかなぁ。。と感じているところで、さっとアピールされれば、「え?なにそれ?」って、思えませんか?
そうなるために必要な事・・・
まぁ、自ずと答えも出ていると思いますが、相手をよく見て話をよく聞いて何を求めているかを相手の立場になって理解する事、なんでしょうね。